五十二冊の中から:ミステリ・ジョッキー
素晴らしい作品を読んだ人が、ものすごい勢いで
他人に薦めることってありますよね。
薦められて読んでみると、期待が大きすぎて
感動できないこともあったりしますが。
リストに「ミステリ・ジョッキー」を入れました。
綾辻行人さんと有栖川有栖さんがミステリーの
傑作を語り、紹介していくという
全三巻のアンソロジーです。
この中で圧巻なのは、連城三紀彦さんの短編
「親愛なるエス君へ」を持ち上げすぎなほどに
絶賛している場面です。
しかも、内容にかなり踏み込んでいます。
「この作品素晴らしいんですよ。傑作ですよ。
こういうトリックが使われています。
では読んでみて下さい、どうぞ」
こういった感じなのです。前口上で
これだけハードルを上げてから、読者に
「親愛なるエス君へ」が差し出されるわけです。
でもって、この作品に
唖然としちゃったりするんですよ。
ミステリーでは、たまにこういうことがあります。
「これは美事な作品だった。
まあ読んでみてよ。俺なんか内容をほとんど
知ったうえで読んだぜ。それでも感動したんだ」
そういう作品ってあるんですよねえ。
以下のリンク先でも、藤岡真さんが
ある外国の作品について内容を明かしつつ褒めちぎっています。
もしよろしかったら、どうぞ。
http://d.hatena.ne.jp/sfx76077/20130509/1368101314