暗い箱
深夜の雑居ビル
僕は1階でエレベータを待っていた
しばらくして軽い音が鳴り
扉がゆっくり開く
暗いエレベータの中に女がいた
壁のすぐそばに立っている
降りるつもりはないらしい
僕が乗ったら扉はゆっくり閉まった
12のボタンを押す
12のボタンが光る
12階を目指して
エレベータが上昇をはじめる
あれ?
僕は気がついた
僕が12のボタンを押すまで
数字のボタンはどれも光っていなかった
僕は振り返る
そこに女がいる
暗いせいで顔はわからない
軽い音が鳴った
エレベータが12階に到着したんだ
扉が開く
僕はエレベータを降りる
女は僕のうしろをついてきた