ミステリー板の拾い物

叙述トリック考えた」スレから


539 :名無しのオプ:2014/03/04(火) 16:28:53.90 id:YW3w24/H

俺はベッドの上に横たわり、腕の痛みに耐えていた。
歯を食いしばる、息が荒くなる。
だけど、意識ははっきりしていた。これ以上ないくらい。
記憶を取り戻したのだ。あの夜の事故を完全に思い出した。
いや、事故という言葉はおかしい。あれは計画殺人だ。
俺は、あの男に命を狙われたのだ。腕こそ痛むが、
こうして生きているのは奇跡だ。そう、俺は
生きている。生きてこの病院を出るのだ。
あの男に復讐してやる。

病室に白衣の男が入ってきた。医者のようだ。
俺は必死に訴える。自分には復讐すべき相手がいると。
医者は首を振った。そうか、俺の邪魔をするのか。
だったら、まず、お前から……。
俺は痛む腕を伸ばし、医者の首を絞めようと……

「先生。あの患者の腕の痛みというのは」
「ああ、あれは幻肢痛だね。
腕を失ったのに、脳は腕の痛みを感じるんだ。つらい症状だよ」