五十二冊の中から:ピザマンの事件簿 デリバリーは命がけ

   おったまゲロゲロ

 舞台はアメリカ、オハイオ州
酔っぱらって暴れて逮捕され、
仕事も家も失った男が主人公。彼は
刑務所を出た後、ピザ屋で働くことになる。
ところがその店で、殺人事件に
巻き込まれてしまい……というストーリーです。

 これ、なんかヘンなんです。
主人公の周囲には親切な人が山ほどいるし、
新しい仕事は簡単に見つかる。従業員募集の
札をかかげたピザ屋へ入っていって
「応募したいんだけど、ムショを出たばかりなんだ」
これで雇ってもらえるんですよ。

 この物語はファンタジーなのか、
アメリカという国がのほほんなのか、
悩んでしまいます。

 それはさておき、仲間や労働、愛などがテーマの
いいお話です。おすすめですよ。
主人公が保護観察官と語り合うシーンは、ぐっときます。