五十二冊の中から:殺人鬼/横溝正史

 札幌の本屋くすみ書房さんで、あなたが選んだ本を売る
「あなたの本棚」という企画をやっています。
 私はこれに申し込んで、推理小説や冒険小説を五十二冊選び、
陳列していただいてます。ちなみに、娯楽小説ではなく、
まじめなテーマで書籍を選ばれた方もいらっしゃいます。
http://twitpic.com/dktwey

 去年、くすみ書房さんから届いたメールによると、
私がセレクトした本の中で、「ロケットマン」と
貴族探偵」、「殺人鬼」が品切れで、
年明けに再度手配されるそうです。

 これは由々しき事態かもしれません。
ロケットマン」は埋もれつつある作品なので、
品切れなのはまだわかります。
貴族探偵」は売れてるらしい(続編が出ましたね)ので、
一時的に品切れになったのでしょう。
これも理解できます。

 問題は、横溝正史大先生の短編集「殺人鬼」です。
これが品切れ? 
まさか、絶版にでもなったかと心配してしまいます。

 粒ぞろいの、いい短編集なんですよ。
 終盤にどんでん返しが連打される表題作をはじめ、
幕開けから目まぐるしい展開を見せる「黒蘭姫」、
あのトリックが効果的に使われる「香水心中」、
 そして、二人の男が語り合う中で
事件の謎が解き明かされる「百日紅の下にて」。
 どれも読み応えあるミステリーです。
特に「百日紅の下にて」は有名ですね。

 今、「ロケットマン」や「貴族探偵」、
「殺人鬼」は棚に並んでいるのか、ドキドキです。